2022.07.05
大量の紙書類は、整理や管理、保管場所の確保などに多くの手間がかかります。データが蓄積されるほど紙書類も増え続けていくことになるため、早めに電子化するのがおすすめです。
コストの削減、省資源化、オフィスの省スペースなど、電子化のメリットはたくさんあります。
そんな電子化を成功させるためには、「電子化前の注意点」を知っておくと安心です。この記事で詳しく解説していきます。
書類電子化は紙書類からデジタルデータに変換して終わりではなく、業務効率化につなげることが重要です。無計画に電子化を進めてしまうと、手間やコストがかかるだけで十分な効果が出せない可能性があります。
書類電子化を成功させるためには、手順に沿って準備を進めていくことが大切です。
書類電子化は、上記の4ステップで進めていきます。ここからはそれぞれの手順について詳しく解説します。
まずは、電子化する書類の選別から始めしょう。
会社にあるすべての書類を電子化しようとすれば、コストや手間が大きくなります。「業務上の理由により紙で保存しておく必要のある書類」「その後利用することのない、不要な書類」などは電子化の必要はありません。
電子化する書類を選ぶ基準としては、たとえば以下のようなものがあります。
判断に迷う書類は、実際に書類を利用する人にヒアリングしてから決めるといいでしょう。
電子化する書類を選別したら、原稿の状態確認を行いましょう。チェックすべきは「量」「用紙サイズ」「保管状態」の3つです。
電子化する書類の全体量(スキャンするページ数)を調べましょう。
膨大な量の書類を1枚1枚数えるわけにはいかないため、オフィスのファイル量を把握するための単位「Fm(ファイルメータ/ファイルメートル)」を使っておおよその量を把握します。
Fmは「文書を積み上げたと仮定したときの高さ」を表し、1m=1Fmで文書約10,000枚に相当します。
オフィスで使われている一般的なキャビネットの収納幅は約90cmほどなので、1段のキャビネットに書類がぎっしり格納されている場合、0.9Fm=約9,000枚の書類があると考えられるでしょう。
バインダーやファイルを使用している場合はその分の厚み、片面書類・両面書類の比率も忘れずに考慮した上で計算しましょう。
電子化する書類をA4、A3、A2などそれぞれのサイズに分け、用紙サイズごとのおおよその量を調べましょう。
書類の保管状態によって、「使用スキャナ」「フォルダ体系、ファイル名の付け方」などが変わります。
ホチキス留めや製本物などでバラしても問題ないものは「複合機のADF(自動原稿送り装置)機能」を使い、バラせないものは「フラットベッドスキャナ」や「フェイスアップスキャナ」を使いましょう。
電子化後も紙書類と同様に利用していくのであれば、ファイルやフォルダ、バインダーなどの保管用具に付けられた見出しやタイトルをフォルダ名・ファイル名に設定するといいでしょう。
続いては、どのようなデータを作成するか仕様を決めていきましょう。決めるのは主に以下のような項目です。
| スキャニングサイズ | 実寸、A4、A3など |
|---|---|
| カラーorモノクロ(諧調) | カラー、グレースケール、白黒二値など |
| 解像度 | 200dpi、300dpi、400dpiなど |
| ファイル形式 | PDF、JPEG、TIFFなど |
| データ格納媒体 | 自社サーバー、HDD、オンラインストレージ、データセンターなど |
| ファイル名・フォルダ構成 | ファイル名の決め方やフォルダ構成など社内ルールの検討・統一など |
| 検索機能の要否 | OCR処理、index作成など |
| 内製or外注 | 電子化作業を自社で行うか、アウトソーシングか |
ここまでの準備を終えたら、書類をスキャンして書類の電子化を行います。
確認した全体量、電子化を行う人員、スキャナの処理能力や台数などからスケジュールを計画し、進めていきましょう。
まとまった時間を確保して一気に進める方法や、一日の量を決めてコツコツ電子化を進める方法がありますが、長期化すると挫折につながるため、期間や担当者を明確に決めておくのがおすすめです。
大量の電子化作業に割く時間がない場合や担当者の確保が難しい場合は、書類電子化をアウトソーシングするのも一つの方法です。
増え続けるデータに対応し、AIやRPAなどによる自動化を図るために電子化を進める企業も増えてきています。
書類の電子化には入念な事前準備が欠かせないため、社内で担当者を決めて取り組む必要があります。もしも社内のみで書類の電子化を行うのが難しい場合は、アウトソーシングも可能です。
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