2022.11.28
近年、多くの企業で進められている文書の電子化(ペーパーレス化)の効果を高めるために欠かせないのが、「OCR(光学文字認識)」の技術です。
紙の文書を単にスキャナーでスキャンしただけでは、文書の内容の検索はできません。これをデータ化し、自由に検索をできるようにするのがOCRです。
この記事では、OCRとはどんなものか、具体的にどのような活用方法があるのか、詳しく解説していきます。OCRを活用して電子化の効果を高め、業務効率化につなげましょう。
OCR(光学文字認識)とは「Optical Character Recognition」の略称で、画像データから文字を見つけ出し、テキストデータに変換する技術のことです。
通常、スキャナーやカメラで読み取った書類は「画像データ」として読み込まれます。人間が見れば書類の内容を理解できますが、コンピューターは自動では書類の内容までは読み取ることができません。
そこで、画像の中から文字を見つけ出すのがOCR技術です。書類のスキャン後にOCR処理を行うことで、画像の中にある文字を認識し「テキストデータ」として保存します。
また、OCRソフトの中には画像データをWord・Excelなどの形式で出力できるものもあります。
現在再び注目を集めているOCRですがその歴史は古く、アメリカでは1929年に、日本では1968年頃に登場しています。近年はAI(人工知能)技術を搭載した「AI OCR」や、業務システムやクラウドサービスとの連携も進んでいるようです。
OCRは、日々の業務の効率化に役立つ技術です。ここからは、具体的なOCRの活用方法について詳しくご紹介します。
OCR技術のメリットの一つとして、データ入力作業の手間を省くことができます。
画像データとしてスキャンしただけでは紙の書類の内容まで把握し活用することはできないため、これまでは人間が内容に目を通し、文字を打ち込むデータ入力作業が欠かせませんでした。
しかし、人手のデータ入力は、長時間続けることで集中力が低下して入力ミスのリスクが高まったり、場合によっては二重のチェックが必要になるなど、時間も手間もかかります。
OCRであれば読み取るだけでテキストデータ化ができるため、作業スピードの向上につながり、ミスも削減できます。データ入力作業に割いていた分の時間を使って、人は本来のコア業務にしっかり取り組めるようになるでしょう。なお、読み取り精度はOCRソフトや原稿により異なります。
画像データの場合、ファイルを開かなければ書類の内容はわからず、検索もファイル名で行うしかありません。
OCRによってテキストデータに変換しておけば「キーワード検索」「コピー&ペースト」が自由にできるようになります。保存したデータを簡単に見つけ出し、活用できるようになるため、書類探しにかける時間が大幅に削減可能です。
コクヨ株式会社が過去に行った調査によれば、人は1日に約20分を書類探しに費やしているといい、これを1年間に換算すると、なんと約80時間も書類を探していることになります。生産性向上・業務効率化のためにも、検索性の向上が重要です。
OCRソフトのなかには、紙の書類を単にテキストデータ化するだけでなく、Word/Excel/PowerPoint©などの編集・更新可能なデータに変換できるものもあります。
例えば、「今手元にある紙の資料を修正したいが、手元にデータがない!」というときに最初から作り直すのでは大変ですが、スキャンしてOCR処理をして、Word/Excel/PowerPoint©などにデータに変換すれば、気になる部分だけをピンポイントで修正可能です。
画像やグラフの配置変更も簡単にでき、段落のずれの自動修正機能もあるため、手間のかかる作業を素早く効率的に行うことができるようになります。
OCR技術を使えば、スキャナーで読み取った画像データの文字部分をテキストデータとして保存できるようになります。人間が手作業でデータ入力作業を行う必要がなくなるため、大量の紙の書類の電子化も、時間を掛けずにスムーズに行う事が可能です。
OCRによって読み取ったデータはテキストとして編集や更新、コピー&ペースト、検索できるため、情報の活用も促進されるでしょう。
検索可能なデータとして電子化したいがリソースが割けない、OCRを導入しているものの使いこなせていないなど、OCR処理や電子化にお悩みでしたら『株式会社PDC』にお任せください。
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