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保存と廃棄

2022.10.17

日々業務を続けていると、文書はどんどん蓄積されていきます。しかし、こうしてオフィスにたまっていく文書を片付けずに放置してしまうと「欲しいときに必要な書類が見つからない」「不要な文書に場所を取られる」といった状況を招くことにつながります。

文書は、保存期間を決め、廃棄を計画的に行い、ライフサイクルをコントロールすることが大切です。

この記事では、計画的な保管・保存・廃棄のためのルールやポイントについて詳しく解説します。

廃棄する文書・保存する文書のルールをつくる

文書管理は、これまでためこんできた不要な書類の廃棄から始めます。

しかし、廃棄のときに迷うのが、捨てる書類・残す書類の線引きです。「もしかしたらいつか使うかもしれない」と迷うと時間がかかり、作業が進まなくなってしまいます。

スムーズに作業を進めるため、あらかじめ「廃棄する文書、保管・保存する文書のルール」を作成しておきましょう。

廃棄する文書の例

アメリカのナレムコ(国際記録管理協議会)の統計によれば、1年以上前に作成された文書を見る確率は1%以下という結果が出ています。つまり、1年以上見ていない文書は廃棄しても問題ないケースがほとんどなのです。

以下は、廃棄可能と考えられる文書の例です。なお、機密文書を廃棄する場合の取り扱いについても事前にルールにしておくとスムーズでしょう。

廃棄可能な文書の例
・一時的な事項が書かれた文書(社内連絡文書、回覧文書、報告書など)
・コピーされ複数部残っている文書、重複保管している文書
・過去のプレゼン資料や企画書・提案書などを作成した際の参考文書
・1年が経過した文書(年賀状、挨拶状、他団体から送られた資料や案内、刊行物、社内報、各種通知など)
・技術進歩、社会的環境などによって内容が古く使い勝手の悪くなった文書
・古いパンフレットやカタログ
・会計伝票類の控え・写し

取り扱う文書は業種や業態によって違いがあるためあくまで目安となりますが、基本的には「法的要請がある文書を除いて、すべてが廃棄対象」と考えて取り組みましょう。

一方、法令で保存を義務付けられている書類は「法定保存文書」と呼ばれ、適切な管理下で保存する必要があります。

保存期間は1〜2年・3年・5年・7年・10年・永久保存の6パターンあり、総務関連は2〜5年、経理関連は7年、会社法に関連するものは10年が設定されていることが多いようです。

保管・保存する文書の例

文書のライフサイクルでは、「保管」と「保存」が明確に区別されています。

「保管」は、よく使う文書・発生から日の浅い文書・緊急性の高い文書を事務室やオフィス内に置いて管理している状態です。

「保存」は、保管していたものの使用頻度が低い文書や、法的要請などの理由で何年間は保存しておかなければならない文書を倉庫や社外施設に移して管理することを指します。

事務室・オフィス内で保管する文書の例
・継続案件の資料文書
・現行案件の顧客名簿
・現行製品・サービスについてのパンフレットや資料
・その他、今年度~前年度の文書や使用頻度の高い文書
倉庫・社外施設などで保存する文書の例
・一定期間以上保存の必要性がある文書(契約書、領収書、請求書、販売の記録、労働者名簿、源泉徴収関係書類、取締役会議事録、株主総会議事録など)
・前々年度以前に発生した文書のうち、保存の必要性のあるもの

スムーズな文書廃棄のポイント

ここからは、スムーズな文書廃棄のためのポイントをご紹介します。

会社全体で取り組む

文書廃棄は、個人に任せるのではなく、会社全体や部門全体、課全体などスタッフ全員で取り組みましょう。個人が業務の合間に行うのでは廃棄作業が思うように進まない可能性がありますし、個人では文書の重要度が判断できないケースがあるためです。

また、個人が管理する書類の中に契約書・領収書・請求書といった、法的に保存年限が定められている書類が紛れ込んでいる可能性もあります。管理部門の判断が必要となる場面もあるため、会社全体で取り組むことが大切です。

文書管理を習慣化する

一度文書廃棄を行うだけでは、時間が経過すればまた不要な文書に囲まれてしまうことになります。文書管理をスムーズに進めるために、少なくとも年に1回~半年に1回は不要な文書を廃棄する機会を作るのがおすすめです。

定期的な文書廃棄が社内ルール化すれば、社内の誰もが参加せざるを得なくなり、習慣化しやすくなるでしょう。

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文書は企業が保有する大切な資産の一つですが、量が膨大になれば管理コストの増加、業務効率の低下につながります。

文書の保管・保存を使い分け、不要になった文書の廃棄がスムーズに行えるよう、文書のライフサイクルをコントロールしましょう。

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